こんにちは。
今回は、読書シリーズとして、ビルゲイツの「地球の未来のため僕が決断したこと」を読みましたので感想を書いていきます。この本は環境問題に対してどう考え、どう接していくべきかの導入部分について主に書いています。気候変動に興味のある方はもちろん、環境問題がクローズアップされている今だからこそ、環境に興味のなかった皆さんにも読んでほしい一冊となっています。
環境問題の何が問題なのかから、どのように解決しなければならないのかまでを、政財界に精通して多くの経験を得ているビルゲイツの本人の立場から正直な気持ちが書かれていました。また、本書は憶測や噂だけでの考察ではなくて、専門家からの視点や事実に基づいたデータを明確にしながらストーリーを展開しており、理論整然と理解しやすい内容となっていますので、順を追って解説していきます。
なお、意訳なしに純粋な目で読みたい方は、先に本書を読んでから戻ってくることをお勧めします。
「地球の未来のため僕が決断したこと」を読んで感じた環境問題
環境問題を考えるタイムリミットは”今”
環境問題が提起されてから今まで、確かに改善されているところはあるものの、総合的に見ればほとんど変化していないのが実情です。幸いにも数年前から流行ったコロナの影響により、経済活動が低迷し世界のエネルギー消費が低下したのは確かですが、それは抜本的改善ではなく一時的なものではありません。
日本をはじめエネルギー消費国である国々にその付けが回ってくるのは、仕方のないことかもしれませんが、事実はそうではありません。実際に環境問題で大きな影響を与えるのは、エネルギー消費の少ない貧乏な国々なのです。気候変動により食物が育たなくなれば、食べ物を得られなくなるかもしれないし、豪雨の被害はより甚大になります。
そんな状況を「戻す」ためには、「今」から行動を起こさなければならない。手遅れになってからではなく、本来の地球の姿に戻すことのできるタイムリミットはもう長くは残されていないと警告しています。
脱炭素・CO2排出量は削減でなく”ゼロ”でなければならない
脱炭素の取り組みは一定の成果はありました。事実、炭素排出量の増加は年々減少傾向にあります。しかし、それでは全く意味がないとあります。最終的には、増加をゼロにし、減少し、そして排出量と自然吸収量のプライマリバランスを「ゼロ」にする必要性を説いています。
まだまだ道のりは遠いですが、100%の脱炭素・CO2排出量のトータルをゼロにしなければならない。減らすためにどうするかという視点ではなく、全く排出しないためには私たちは何をしなければならないのか。そこを前提に議論や政策、方針の決定をしなければならないと考えます。
根性論だけでないエネルギー使用の現状を知れ
エネルギーを減らせというだけでは減りませんよね。まずは、私たちの今の現状をしっかりと把握して受け入れていくことが第一ステップなのだと思います。
本書でも、電気での利用や移動に必要なエネルギーなど、様々な視点からエネルギー消費の現状について書いてあります。しっかりとしたエビデンスを基にストーリーが進んでいますので、一読の価値があると思います。
環境問題の取り組みに参加することが第一ステップ
そして、最後には実際に私たちが何から手を付ければいいのかの提案もありました。その中には、環境問題の取り組み(脱炭素の取り組みや研究開発に対する参画など)にまずは参加しましょうというのがあります。取り組みに参加することで、その取り組みを手助けするだけではなく、他者の参加を促し大きな流れや影響の一助となることができます。その流れが、国の政策決定に繋がり、環境保護に繋がるのです。
無関心では何も変わりません。関係している分野からまずは行動を起こしてみませんか?
まとめ
エビデンスをしっかり示しつつ、ストーリーを進めていく様は、まさにビルゲイツの考え方であると思います。
今回紹介した環境問題に関する感想ですが、本書のごく一部でしかありません。
是非本書を通して、環境を保護して将来の人たちに美しい地球を残すために行動する仲間になりましょう。1人1人は小さな力でしかありませんが、その小さな力の渦はきっと環境保護への第一歩となります。そのためにも、まずはできることを私たちの立場から始めましょう。
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